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教養・ノンフィクション

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各分野における最新の知識や再発見、情報の最前線から得た知見など、半歩先の知的好奇心を満たす記事を公開中。
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「愛と性と存在のはなし」第5回 〔『ボヘミアン・ラプソディ』に見るマジョリティの希望〕 赤坂真理

 sometimes I wish I’d never been born at all.  そう、まったく生まれないほうがよかった。  影も形も。  こんなに孤独なら。  この世界に属せない、疎外感だけなら。  存在するということの、まったき孤独。   孤独だから、誰かを求めるのか。  求めても孤独。  本当の望みなど、知らないほうがよかった。  本当の自分をわかりたいだなどと。  かなわないなら。  手に入らないなら。  このふたつに分かれた世界に、望むものが、ないのな

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「思考入門 “よく考える” ための教室」第8回 〔テクノロジーでアタマをよくする!?〕 戸田山和久(文と絵)

お待ちかね、「思考入門」の第8回目ですよ。連載もいよいよ大詰め、今回のテーマは「テクノロジー」。みなさんのまわりにあるテクノロジーをうまく使いこなせば、アタマがばっちり良くなるというお話です。「テクノロジー」って何のこと? それは読んでのお楽しみ。気に入ったら「スキ」してくださいね~~ テクノロジーの2つの特徴  受験シーズンたけなわだ。アタマのよくなる薬があったらいいなあ、と思っている受験生もいるだろう。ほんとうにそういう薬があったらいいね、と私も思う。自分も飲みたいし、

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「愛と性と存在のはなし」第4回 〔草食男子とは誰か〕 赤坂真理

草食男子という誤認 「草食男子」という言葉がある。  恋愛や性に消極的な男子、という意味に使われることが多いだろうか。元気がない男と同義にされるなど、ネガティブに使われることも多い。   そもそもは「草食動物のように優しく草を食んでいるような男子」というポジティブな意味でつけた、と、名付け親の深澤真紀は語っている。初出は2006年である。いずれにせよ、一時の流行語であることを超えて、今では定着した感のある言葉だ。  この言葉は、単純な事実誤認をはらんでいる。とわたしは思ってき

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伝説が蘇る――『QUEEN in 3-D クイーン フォト・バイオグラフィ』発売に寄せて (担当編集者コラム)

本日発売、クイーン史上初の自叙伝である『QUEEN in 3-D クイーン フォト・バイオグラフィ』の担当編集者が、本書刊行の裏側とその内容についてつづります。  2020年1月24日、クイーンのギタリスト、ブライアン・メイ博士の単著『QUEEN in 3-D クイーン フォト・バイオグラフィ』が、翌25日から始まるクイーン通算10回目のジャパン・ツアーに合わせて発売されました!  この本の発売をひと言で表すならば、「奇跡」としか言いようがないと、発売となった今もそう感じて

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評伝 『ECDEAD あるラッパーの生と死』第1回 「あるリスナーの回想(前書きにかえて)」 磯部 涼

2018年1月に57歳で他界したラッパー、ECD。私小説家でもあり社会運動家でもあった彼の生涯を、『ルポ 川崎』が注目を集めたライター・磯部涼が描く。2000年代初頭からECDと親交を深め、併走してきた著者にしか描けない画期的評伝! その夜、ダンスフロアで  ECDについて考えると思い出す光景がある。  高速道路の高架に空を覆われた通りの、雑居ビルの地下にある小さなクラブ。薄暗い店内はふたつのスペースに仕切られていて、左半分がバー、右半分がダンスフロアになっている。平日の深

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「思考入門 “よく考える” ための教室」第7回 〔「三人寄れば文殊の知恵」だといいんだけど……〕 戸田山和久(文と絵)

みなさん、あ・け・ま・し・て、おめでとうございます。年が明けたところで気持ちもあらたに「思考入門」7回目。前回は、私たちの脳ってそもそも論理的にはできていない、というクラ~イお話になっちゃいましたねえ。でも大丈夫。それを乗り越える方法ちゃんとありますよ。今回はそのうちのひとつについて、戸田山さんきっちり話してくれます。「それって、どんな方法?」答えはかんたん、「みんなでいっしょに考える」こと。「そのためには、どうすればいいの?」はい、くわしく知りたい人は、以下をじっくり読んで

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伝説の歴史を味わう!「MUSIC LIFE」元編集長・増田勇一氏による『QUEEN in 3-D』最速レビュー

増田勇一  正直に白状すると「時間がかかっても構わないから、これは原書で読みたい」などと思って購入しておきながら、読みかけのまま本棚の飾りになってしまっている英語の書籍が、我が家にはいくつかある。『QUEEN in 3-D』がそうなりかけている、という方も実は少なくないのではないだろうか。もちろんこの本は、フォト・バイオグラフィと銘打たれていることからも明らかなように、写真の豊富さと貴重さ、しかもその多くを立体で味わうことができるという点を特徴とするものであり、眺めているだ

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「なぜいま、「幕府」を問うのか?」 〔後編〕 東島 誠

前回に引き続いて歴史書ブームを分析しながら、過去に3度、20年ごとに中世史がブームになってきたことの意味を考えます。 ※本記事は、NHK出版より刊行予定のNHKブックス、東島誠『「幕府」とは何か』から、「はじめに」と序章「いま、なぜ中世史ブームなのか、そして、なぜあえて幕府論なのか?」を先出しでお届けするものです。 室町幕府ブーム?  大政奉還百五十周年、明治維新百五十周年の記念行事の一方で、いまふたたび中世史ブームだという。それも、よりによって室町幕府が熱い。呉座勇一『応

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「なぜいま、「幕府」を問うのか?」 〔前編〕 東島 誠

近年、一般向けの歴史書が何度目かのブームを迎えています。その中で問われないままに終わっている最大の存在「幕府」について、根本から問い直してみましょう。 ※本記事は、NHK出版より刊行予定のNHKブックス、東島誠『「幕府」とは何か』から、「はじめに」と序章「いま、なぜ中世史ブームなのか、そして、なぜあえて幕府論なのか?」を先出しでお届けするものです。 歴史学に何が可能か「歴史学に何が可能か」。これは、二〇一二年、つまり東日本大震災の翌年に與那覇潤と語り合った、雑誌対談のタイト

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『「本当の豊かさ」はブッシュマンが知っている』 著者ジェイムス・スーズマン博士 特別インタビュー 「仕事以外のことで自分自身を定義する」

取材・写真撮影=大野和基 多くの書評欄に取り上げられた話題の翻訳書『「本当の豊かさ」はブッシュマンが知っている』(小社刊、10月25日発売)。「週にたった15時間しか働かない」というブッシュマン社会から私たちが学べることとは何か? 著者で社会人類学者のジェイムス・スーズマン博士への特別インタビューをお届けします。 ──本書に、カラハリ砂漠の狩猟採集社会を通して見えたこととして、「人間は労働によって定義されるのではなく、別の充足感のある生き方を十二分に送れる能力があるのだ」

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