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NHK出版新書

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ビジネス、哲学、時事、環境、教育、宗教、美術、科学……多彩なジャンルを深くわかりやすく伝えるNHK出版新書の関連記事をラインナップ。
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斎藤幸平、マルクス・ガブリエルを語る!

「西洋の知識人」としてのガブリエル 天才哲学者マルクス・ガブリエルのシリーズ本。今回のテーマは、タイトルにもあるように、「日本社会への問い」だ。ガブリエルが日本滞在の印象を通じて、私たちの暮らす社会の問題を分析していく。  正直、本書の問題設定の仕方に私はそれほど同意しない。ガブリエルが天才的な哲学者であることは間違いないが、彼は日本社会の専門家ではない。ガブリエルは日本に少なくとも5、6回は来ているが、あくまでも彼の知っている日本は、私や他の研究者、NHKのクルーが案内し

斎藤幸平×大澤真幸「脱成長コミュニズムは可能か?」――『なぜ、脱成長なのか』『新世紀のコミュニズムへ』刊行記念対談(後編)

 コロナ下の状況で資本主義の弊害や問題点が明らかになった現在、そのオルタナティブとして注目されるのが「脱成長」であり、「コミュニズム」です。  ヨルゴス・カリスらによる翻訳書『なぜ、脱成長なのか:分断・格差・気候変動を乗り越える』の解説を担当した斎藤幸平さんと、新著『新世紀のコミュニズムへ——資本主義の内からの脱出』を上梓した大澤真幸さん。同時期に近しいテーマで書籍の刊行に関わった二人に、「脱成長コミュニズム」は果たして可能なのか、存分に語り合っていただきました(2021年5

斎藤幸平×大澤真幸「脱成長コミュニズムは可能か?」――『なぜ、脱成長なのか』『新世紀のコミュニズムへ』刊行記念対談(前編)

 コロナ下の状況で資本主義の弊害や問題点が明らかになった現在、そのオルタナティブとして注目されるのが「脱成長」であり、「コミュニズム」です。  ヨルゴス・カリスらによる翻訳書『なぜ、脱成長なのか:分断・格差・気候変動を乗り越える』の解説を担当した斎藤幸平さんと、新著『新世紀のコミュニズムへ——資本主義の内からの脱出』を上梓した大澤真幸さん。同時期に近しいテーマで書籍の刊行に関わった二人に、「脱成長コミュニズム」は果たして可能なのか、存分に語り合っていただきました(2021年5

【対談】大澤真幸×山本貴光「来たるべき破局を越えるために」(前編)

気候変動や分断をもたらす資本主義を超えて、コミュニズムに至る。それは、いかにして可能なのか? ――この問いに正面から向き合った大澤真幸さんの新刊『新世紀のコミュニズムへ——資本主義の内からの脱出』の刊行記念対談が、5月1日に行われました(NHK文化センター主催。オンライン)。ゲーム作家・文筆家の山本貴光さんと大澤さんが、パンデミック後に望まれる社会のありかたについて語り合った2時間におよぶ討議の前編をお届けします。 出来事「そのもの」には尽きない感覚 大澤 今日は、僕の新著

「NHK出版新書を探せ!」第11回 テクノロジーもまた「大衆のアヘン」である――斎藤幸平さん(経済思想学者)の場合〔後編〕

 突然ですが、新書と言えばどのレーベルが真っ先に思い浮かびますか? 老舗の新書レーベルにはまだ敵わなくても、もっとうちの新書を知ってほしい! というわけで、この連載では今を時めく気鋭の研究者の研究室に伺って、その本棚にある(かもしれない)当社新書の感想とともに、先生たちの研究テーマや現在考えていることなどをじっくりと伺います。コーディネーターは当社新書『試験に出る哲学』の著者・斎藤哲也さんです。  ※第1回から読む方はこちらです。 <今回はこの人!> 斎藤幸平(さいとう・こ

「NHK出版新書を探せ!」第10回 日本人はなぜ気候変動問題に関心を持てないのか?――斎藤幸平さん(経済思想学者)の場合〔前編〕

 突然ですが、新書と言えばどのレーベルが真っ先に思い浮かびますか? 老舗の新書レーベルにはまだ敵わなくても、もっとうちの新書を知ってほしい! というわけで、この連載では今を時めく気鋭の研究者の研究室に伺って、その本棚にある(かもしれない)当社新書の感想とともに、先生たちの研究テーマや現在考えていることなどをじっくりと伺います。コーディネーターは当社新書『試験に出る哲学』の著者・斎藤哲也さんです。  ※第1回から読む方はこちらです。 <今回はこの人!> 斎藤幸平(さいとう・こ